2012-04-23
manpages-ja-dev
Japanese version of the manual pages (for developers)
man-pages-ja
Japanese man (manual) pages from the Japanese Manual Project
manpages-dev
Manual pages about using GNU/Linux for development
man-pages
Linux kernel and C library user-space interface documentation
名前
hash - hash データベースへのアクセスメソッド
書式
#include <sys/types.h> #include <db.h>
説明
大事な注意: このページは、バージョン 2.1 までの glibc が提供するインターフェースに ついて説明している。バージョン 2.2 以降の glibc では、もはやこれらの インターフェースは提供されていない。おそらく、このページではなく、 libdb ライブラリが提供する API をお探しなのだろう。
ファイルが既に存在している (または O_TRUNC フラグが指定されていない) と、 bsize, ffactor, lorder, nelem に指定された値は無視され、 ハッシュが作られた時に使った値が使われる。
ルーチン dbopen(3) はデータベースファイルに対するライブラリインターフェースである。 サポートされているファイルフォーマットのひとつに hash ファイルがある。 データベースへのアクセスメソッドに関する一般的な記述は dbopen(3) に書かれている。 このマニュアルページでは hash 特有の情報についてのみ記述する。
hash データ構造は、拡張可能な動的ハッシュスキームである。
dbopen(3) に渡される hash アクセスメソッドに特有のデータ構造体は、 <db.h> インクルードファイルで以下のように定義されている。
typedef struct { unsigned int bsize; unsigned int ffactor; unsigned int nelem; unsigned int cachesize; uint32_t (*hash)(const void *, size_t); int lorder; } HASHINFO;
この構造体の要素を以下に示す。
bsize | hash テーブルバケット (table bucket) のサイズを定義する。 デフォルトは 256 バイトである。 ディスクに置かれるテーブルやデータアイテムが大きいテーブルでは ページサイズを大きくするほうが良いだろう。 |
ffactor | ユーザーが望む hash テーブル中の密度である。 これはそれぞれのバケットに格納できるキーの概数であり、 hash テーブルを拡大・縮小を作用する。 デフォルトは 8 である。 |
nelem | hash テーブルの最終サイズを大まかに見積もった値である。 この値がセットされていなかったり、あまりに低くセットされていると、 hash テーブルはキーが入ってくるに応じて拡張される。 しかし少しパフォーマンスが (おそらく気付く程度に) 落ちる。 デフォルト値は 1 である。 |
cachesize | メモリーキャッシュの最大値 (バイト単位) の参考値。 この値は あくまで参考であり、 アクセスメソッドはこの値を越えたメモリーの割り当てに成功することもある。 |
hash | はユーザー定義の hash 関数である。 全てのデータに対してうまく作用する hash 関数と言うのはないから、 特定のデータセットに対しては組み込みの hash 関数では パフォーマンスが低いこともあるかもしれない。 ユーザー定義の hash 関数は二つの引数をとらなくてはならない (バイト文字 列へのポインターと、長さ)。 そして hash 値として使われる 32ビットの値を返さなくてはならない。 |
lorder | データベースに格納されているメタデータの整数値のバイトオーダー。 この数字は、順序を整数で表したものである。 例えばビッグエンディアンなら、この数値は 4,321 となる。 lorder が 0 (指定されていない)場合、現在のホスト で使われている並び順が使われる。 ファイルが既に存在する場合、指定した値は無視されツリーが作られ た時に指定されていた値が使われる。 |
hash 関数が指定されると、 hash_open はデータベースが作られた時に指定されていた hash 関数と今回指定された hash 関数が同じかどうかを調べ、 同じでない場合には失敗する。
dbm(3), と ndbm(3) に記述されているルーチンへの過去互換を取るためのインターフェイスが 存在する。しかしこれらのインターフェイスは以前のファイルフォー マットとは互換性がない。
エラー
hash アクセスメソッドルーチンは、失敗するとライブラリルーチン dbopen(3) で指定されているエラーに応じた errno をセットする。
バグ
バイトオーダーとしてはビッグエンディアンとリトルエンディアンのみが サポートされている。
関連項目
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。