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2012-07-28

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名前

glob - パス名を glob する

説明

昔々 UNIX V6 では、ワイルドカードパターンを展開する /etc/glob と言うプログラムがあった。その後すぐに、 この機能はシェルに組み込まれるようになった。
今日では、この機能をユーザープログラムからも実行できるよう、 glob(3) というライブラリルーチンも存在している。
glob の規則を以下に述べる (POSIX.2 3.13)。

ワイルドカードマッチ

文字列に \(aq?\(aq, \(aq*\(aq, \(aq[\(aq が含まれていると、 それはワイルドカードパターンとみなされる。 「glob する」というのは、ワイルドカードパターンを展開して、 そのパターンにマッチするパス名のリストを得ることである。 マッチは以下のように定義される。
(ブラケット外部の) \(aq?\(aq はあらゆる単一の文字にマッチする。
(ブラケット外部の) \(aq*\(aq はあらゆる文字列にマッチする。 空文字列 (empty string) にもマッチする。
文字クラス (character class)
"[...]" と言う表記は、先頭の \(aq[\(aq に続く最初の文字が \(aq!\(aq で なければ、ブラケットの中に含まれている文字のどれか一つにマッチする。 ブラケットの内部に含まれる文字列は空であってはならない。 したがって \(aq]\(aq も最初の文字に指定すればブラケットの内部に含めることが できる (つまり "[][!]" は \(aq[\(aq, \(aq]\(aq, \(aq!\(aq の 3 文字のどれかにマッチする)。
領域指定 (range)
特殊な表記法が一つ存在する。\(aq-\(aq を挟む二つの文字は領域指定となる。 (つまり "[A-Fa-f0-9]" は "[ABCDEFabcdef0123456789]" と等価となる。) \(aq-\(aq 文字そのものを入れたい場合は、 ブラケットの先頭または最後の文字に指定すればよい。 (つまり "[]-]" は二つの文字 \(aq]\(aq\(aq-\(aq にマッチし、"[--0]" は \(aq-\(aq, \(aq.\(aq, \(aq0\(aq の 3 文字にマッチする。この間の \(aq/\(aq にはマッチしない。後述を参照。)
補集合 (complementation)
"[!...]" と言う表記は、ブラケットの内部に含まれない単一の文字にマッチする (ただし先頭にある \(aq!\(aq は除外)。 (つまり "[!]a-]" は \(aq]\(aq, \(aqa\(aq, \(aq-\(aq 以外のすべての文字の、どれか一つにマッチする。)
バックスラッシュ \(aq\\(aq を前置すれば、 \(aq?\(aq, \(aq*\(aq, \(aq[\(aq は通常の文字として扱われる。 またはシェルのコマンドラインの一部に指定する場合は、 クォートで囲っても同じ効果が得られる。ブラケットの内部では、 これらの文字はその文字自身だけを意味する。 すなわち "[[?*\]" は \(aq[\(aq, \(aq?\(aq, \(aq*\(aq, \(aq\\(aq のどれか一文字にマッチする。

パス名 (pathname)

glob 動作は、パス名のそれぞれの部分に独立に適用される。 パス名に存在する \(aq/\(aq\(aq?\(aq\(aq*\(aq ワイルドカードにはマッチしない。 また "[.-0]" のような領域指定にもマッチしない。 領域指定は陽に \(aq/\(aq 文字を含むことはできない。これは文法エラーとなる。
\(aq.\(aq で始まるパス名では、この文字は陽にマッチさせなければならない。 (つまり rm * は .profile を削除しない。また tar c * ではすべてのファイルはアーカイブされない。 tar c . の方が良い。)

空のリスト

先に与えた、わかりやすく簡単なルール、 「ワイルドカードパターンをマッチしたパス名のリストに展開する」と言うのは、 オリジナルの UNIX における定義であった。 これはパターンが空のリストに展開されることも許可されていた。 例えば
    xv -wait 0 *.gif *.jpg
において、*.gif ファイルが全くない場合でも、 これは空のリストに展開されるため、エラーにならない。 しかし POSIX では、文法的に正しくないパターンや、 マッチがなかったパターンは、 そのまま変更されずに残されることになっている。 bash では、次のコマンドで昔からの振る舞いに設定することができる。
shopt -s nullglob
(同様の問題は別のところでも起こっている。例えば、古いスクリプトにおける
    rm `find . -name "*~"`
のような記述は、新しいスクリプトでは
    rm -f nosuchfile `find . -name "*~"`
のようにしなければならない。さもないと rm を引き数リストなしで呼び出す可能性があり、 エラーメッセージが出てしまう。)

注意

正規表現

ワイルドカードパターンは正規表現と多少似ているが、しかしこの両者は異なる。 まず第一に、前者がファイル名にマッチするのに対して、 後者はテキストにマッチする。第二に、ルールも同じではない。 例えば正規表現における \(aq*\(aq は、 前置された文字の 0 以上の繰り返しを表す。
正規表現にもブラケット表現はあるが、否定は \(aq^\(aq でなされる。 POSIX ではワイルドカードパターンにおける "[^...]" を未定義であるとしている。

文字クラスと国際化

領域指定は、もともとはもちろん ASCII における順序並びを意味していた。 したがって "[ -%]" は "[ !"#$%]" の意味であり、 "[a-z]" は「すべての小文字」の意味であった。 UNIX の実装の中には、これを拡張したものが存在し、 そこでは X-Y という領域指定は、X のコードと Y のコードに挟まれたコードを持つ文字すべてを表すようになっていた。 しかし、これにはユーザーがローカルなシステムにおける 文字コードを知らなければならず、 さらにローカルなアルファベットに対する照合順序 (collating sequence) が文字コードの順序と異なっている場合には不便であった。 (訳注: collating sequence に関しては regex(7) を参照して下さい。) したがって POSIX では、ワイルドカードパターンと正規表現の双方において、 ブラケット表記を大幅に拡張している。 これまで我々は、ブラケット表記には三つの要素が含まれうることを見てきた。 すなわち (i) 否定、(ii) 単一の文字、(iii) 領域指定、の三つである。 POSIX では、領域指定をより国際化に便利なように定義しており、 また三つのタイプをブラケット表記の要素として追加している。
(iii) 領域指定 X-Y は X と Y に挟まれた (両端含む) すべての文字を意味する。 このとき、カレントロケール (current locale) の LC_COLLATE カテゴリーで定義されている照合順序が用いられる。
(iv) 名前付き文字クラス: 以下のようなものである。

[:alnum:] [:alpha:] [:blank:] [:cntrl:] [:digit:] [:graph:] [:lower:] [:print:] [:punct:] [:space:] [:upper:] [:xdigit:]
これを用いれば "[a-z]" の代わりに "[[:lower:]]" のような指定ができる。 またデンマークのように、アルファベットの \(aqz\(aq 以降に 3 つの文字が存在するような場合でも、同じような動作が期待できる。 これらの文字クラスはカレントロケールの LC_CTYPE カテゴリーで定義されている。
(v) 照合順序におけるシンボル: "[.ch.]" や "[.a-acute.]" のように "[." と ".]" で挟まれた文字列は、カレントロケールで定義された照合順序の要素となる。 ある一つの要素が複数の文字からなる場合もありうることに注意。
(vi) 等価クラス表現 (equivalence class expressions): "[=a=]" のように "[=" と "=]" とで挟まれた文字列であり、 カレントロケールで定義された等価クラスのメンバーである照合要素のいずれかを表す。 例えば、"[[=a=]]" は "[a\(’a\(‘a\(:a\(^a]"、つまり "[a[.a-acute.][.a-grave.][.a-umlaut.][.a-circumflex.]]" と等価になる。

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
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